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借りた車で事故をしたら

  • 投稿:2024年09月16日

今回はたまに質問をいただく「他車運転危険特約」についてです。自賠責保険とは直接関係ありませんが疑問に思う方もいるようなので解説していきます。

他車運転危険特約とは

他車運転危険特約は任意保険に自動付帯される(元から付いている)特約で、他人から一時的に自動車(自家用8車種)を借りて事故をした際、自分が加入している自動車保険を使って事故解決ができるものです。いわば困った時の最後の砦のようなものです。借りたクルマの持ち主の保険を使えないケースもあり、仮に使えたとしても保険料が将来上がってしまうので断られることも考えられます。

自分が他人から自動車を借りた場合に加えて、自分のクルマを他人に貸して事故を起こされた場合についても、この特約を使うことで円満に事故解決できる可能性がありますので、万が一の時は保険会社や保険代理店に聞いてみたり、可能であれば自分で約款を確認してみることをお勧めします。

他車運転危険特約を使えるのは誰か

保険の補償対象になる人は被保険者と呼ばれます。この他車運転危険特約についても被保険者が存在します。まず、必ず対象になるのは記名被保険者です。正しく保険契約がされていれば、主に運転する方が設定されているはずです。その記名被保険者に加えて、配偶者、同居の親族と別居の未婚の子が対象になります。同居の定義や親族の範囲については別の記事を参考にしてください。

補償される車はどんなクルマか

他車運転危険特約で補償されるのは自家用8車種です。それ以外のクルマは補償されないので注意が必要です。

  • 自家用普通自動車
  • 自家用小型乗用車
  • 自家用軽四輪乗用車
  • 自家用小型貨物車
  • 自家用軽四輪貨物車
  • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
  • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)
  • 特殊用途自動車(キャンピング車)

具体的にはどんなときに使えるか

  • 友人の車を借りて事故をしてしまった
  • 会社の車を一時的に借りてプライベートで運転中に事故をした
  • 車検や修理で借りた車で事故をしてしまった
  • レンタカーを運転中の事故
  • バイク保険に加入していて他人のバイクで事故をしてしまった(車両損害は不担保など制限がある)

補償されない場合はあるか

他車運転危険特約はあくまでも緊急措置として使える特約になります。使えないケースとしては同居の親族間での貸し借りは対象にならないことでしょう。あくまでも他人から借りるというのが前提です。

私の経験上2つ補償がされなかったケースがあります。2つとも10年以上前の話しになります。

  1. 友人を駅までクルマで迎えに行きロータリーに到着。エンジンを切って友人が現れるのを待っていたところ、後ろに停車しようとしたクルマに追突されたケース。注意してもらいたいのはエンジンを切って停車していたということです。他車運転の文字が表す通り、運転の状態でなければ対象になりません。赤信号で停車していれば、それは運転の一環ですから対象になりますが、エンジンを停止しているのは運転ではないということで対象外になりました。保険会社の解釈としては、「運転」と時間的、場所的に連続する一連の動きについては「運転中」に含めるという見解でした。
  2. 詐欺の可能性が高い場合。工場から借りた代車がBMWやメルセデスの高年式車両で、全損に近いような事故をした場合は詐欺の疑いをかけられる可能性があります。過去の顧客で2回高年式の外車を全損させた方がいました。1回目は支払いがされましたが、さすがに2回目は対象外になりました。保険会社の調査能力をみくびることはできないのは当然として、あからさますぎてバカとしか言いようがありません。当然任意保険もやめていただくことになりました。

なお、これは判断が難しいところですので断言はできないのが、どれくらいの期間借りていて大丈夫なのかという点です。修理や車検であれば借用期間は予想できるので問題にならないでしょう。そうではなく、ずっと知り合いから借りている場合や、新車購入後納車まで3ヶ月間代車を借りている場合などは補償されるのでしょうか? これについては個別に判断が必要になります。その使用者は販売店から使用許諾を受ける立場なのかや、借用期間は当初から決まっているかなど総合的聞き取りがされ有責・無責が判断されます。一概に期間の長短だけが判断要素では無いので、もし長期間の借用が予想されているなら、事前に特約の有無責を保険会社に確認することをお勧めします。

事故の際の責任は持ち主?それとも借主?

クルマの貸し借り自体お勧めできないのは、このように任意保険の対象になるかどうかというのもあります。保険会社によっては他車運転危険特約が無いこともあり得ます。もう一つ注意すべきは、人身事故を起こしてしまうと、被害者は持ち主と借主の両方に対して損害賠償請求をする可能性が発生することです。自賠責保険の考え方の一つに運行供用者であるかが一つのポイントになります。貸す側も借りる側も責任が発生する可能性がありますので、トラブルを避ける意味でも極力貸し借りは避けるべきと思います。

被害者請求にも関係がある

他車運転危険特約は任意保険の話でしたが、自賠責の被害者請求に関係が出てくる事故もあります。例えば他車運転危険特約が使えないケース(保険継続されず切れていたなど含む)で、相手からもケガの治療費が受け取れず困っている場合です。このような場合は、本来の自賠責保険の被害者請求の趣旨である被害者救済の対象になる可能性があります。まずはご相談いただき保険関係の確認から始めることをお勧めいたします。

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